2007年09月21日

アイヌと琉球と

アイヌの伝統工芸に携わってきた方々のお話を聞き、
伝統的なムックリという口琴の演奏に耳を傾ける機会があった。
「台風に始めて遭遇しました、こちらの雨は冷たくなく、シャワーのようですね」と、
自然の猛威にさらされたことも穏やかに話すのが印象的。

アイヌも琉球も、共通する部分が多い。
 ・自然を崇拝し、自然とともに生きる文化
 ・彫りの深い、いわゆる縄文系の顔立ち
 ・そして、古来、和人(ヤマトンチュ)に差別されてきたこと
など。

サケや熊を仕留めても、自分達の領分を守り、
殺した動物や他の動植物たちへの思いやりも忘れないアイヌ文化には、
自然に対する人間の謙虚さと節度ある行動を見てとれる。
また、台所のヒヌカン(火の神)に手を合わせて
一家の無事と繁栄を祈願する習慣が残る沖縄でも、同様のことが言える。

これらは、「自然は人間に都合のいいようにコントロールすべきもの」という
近代の自然観とは全く異なるものだが、元々の日本人はこれらを持っていたはず。

それなのに、近代の日本人は、そのような自然観をどこかへ置き忘れたうえ、
アイヌや琉球の人を、「非近代的で文明的に遅れた人」、「自分達とは異なるもの」とみなして虐げてきた。

これは、決して遠い過去の話ではなく、学校で和人にいじめられたり、
方言札をかけられたり、ということが今のお年寄りの小さい頃には実際にあったのだ。
さらに、今でもなお、言葉の端々に(ということは意識の根底に)、
自分達とは一線を画し、蔑視するような態度を感じることもある、アイヌの長老や沖縄のオジイはいう。

足を踏んでいる人は踏まれている人の痛みが分からない。
こんなところからも、アイヌや琉球の人達に学ぶべきことは多いと思う。


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環境と観光、スローライフとエコツーリズムで人と地域を元気にする、「スローツーリズム・コーディネーター」。人、自然、地域との「つながり」を求めて、世界35カ国と日本全国、沖縄の殆どの有人島を旅する「風の人」。コーヒーとオリオンビールと村上春樹が好き、ヘビとおしゃべりな床屋がキライです。
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