SLOW LIFEと、沖縄と

桜坂市民大学の「沖縄の環境問題最前線」講座。

今日は、西表リゾート訴訟団の代表を務めた石垣金星さん。唄者でもある彼は、三線を片手に登場。爪弾きながら自然に対する想いを話してくれた。

西表の租内部落、県下最大の浦内川の河口に位置するトドゥマリ浜は、神々が旧暦8月15日に遊ぶ聖地とされてきたが、住民の意向を無視してユニマットがリゾートホテルを建てた。財政力の弱い地方に対し、カネをちらつかせて土地を買い漁る手法は、石垣島などでも不気味な動きを見せているという。

「人と自然が500年以上も調和して暮らしてきた西表には、
　自然を歌った　唄が多い。その島の自然を壊し、
　一時的にカネをもらっても良い事ない。島にリゾートは要らない。」

「リゾート反対の裁判は、最高裁でも棄却された。
　法律で環境問題は裁けない。だからといって、
　金持ちの好きにさせてはならない。市民運動に訴えて
　反対派の町長を当選させるなど、これからも反対の声を挙げていく」
小柄な金星さんは、穏やかな表情で飄々と語る。

「祖先から受け継いだ自然や、自然との調和の中に創りあげてきた
　文化を、子孫に残すことが大事。自然がなくなれば、歴史や文化も
　なくなる。観光に力を入れるにしても、金儲けではなく、
　100年、200年先も持続する地域づくりを第一の目的にするべき。
　そのために、自分たちの手で地域独自のエコツーリズムを創ること」
本土復帰の頃以来40年近く、地域に根を張って自然と共に生きてきた金星さんの言葉は、どんな理論より説得力を持って響いた。